【NFCタグとは?】具体的な仕組みや活用方法、世の中の事例などをご紹介!
「最近よく聞くNFCタグって何だろう?」
「NFCタグの仕組みや活用方法について知りたい」
NFCタグという言葉を聞いたことがある方の中には、このような悩みや疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
NFCタグは、データの送受信を簡単に行うようなもので、その手軽さや手間の少なさから、近年多くの業界で注目を集めています。
そこで今回は、そんなNFCタグについて、具体的な仕組みや活用方法、世の中の事例などをご紹介します。
NFCタグについて詳しく知りたい、という方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
NFCタグとは?
まずはじめに、NFCタグの概要をご紹介します。
NFCタグ(Near Field Communication)とは、無線通信を利用して、2つのデバイスが非常に近い距離で情報を交換することができる技術のことを指し、日本語では「近距離無線通信技術」と呼ばれています。
一般的には、数ミリから数センチメートルといった非常に近い距離で通信が行われ、デバイス間の情報を即座に送受信する仕組みが搭載されています。
そんなNFCタグの仕組みは、近年注目を集めていながらも、既に私たちの身近の多くの物に搭載されており、様々な分野で情報通信技術に貢献しています。
NFCタグの具体的な事例や課題については、後ほど改めてご紹介します。
また、NFCタグの使い方については「【NFCタグの使い方とは?】内部の仕組みや構造、具体的な事例などをご紹介!」にてご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
NFCタグの仕組み
次に、NFCタグの仕組みについてご紹介します。
前述したように、NFCタグは、比較的近い距離でデバイスを近づけることで情報の送受信を行います。
NFCタグは、小さなチップとアンテナから構成されており、タグは電源ではなく外部からの電磁波によって作動します。
スマートフォンなどのNFCリーダーをNFCタグに近づけると、リーダーから発せられる電磁波がタグのアンテナを通じてチップに電力を供給します。
そして、チップが起動すると、保存されているデータがNFCリーダーに送信されるという仕組みです。
ちなみに、リーダーから発せられる電磁波がタグのアンテナを通じてチップに電力を供給する仕組みを「電磁誘導」と言います。
また、NFCタグは非常に小さいサイズで作られており、厚さが0.3mm程度、 長さの直径が2.5cm前後であるため、様々な商材への埋め込みや貼り付けが可能となっています。
NFCタグを活用するアイデア
本項目では、NFCタグを活用するアイデアについて、以下の3つをご紹介します。
1, アーティストなどのグッズへの導入
2, 観光地のお土産への導入
3, 販促用のノベルティへの導入
① アーティストなどのグッズへの導入
NFCタグを活用するアイデアの1つ目は「アーティストなどのグッズへの導入」です。
例えば、NFCタグを内蔵したアーティストグッズを制作し、ファンがスマートフォンをかざすだけで、特典映像や音声などのコンテンツにアクセスできるような仕組みを作ることができます。
アーティストやアイドル、スポーツ選手など、熱狂的なファンが存在するような業態では、グッズをはじめとする関連商品にNFCタグを導入し、顧客が価値を感じるようなコンテンツを追加することで、付加価値を生み出すことができます。
結果として、グッズの価値が高まると同時に、ファンや応援している人などの満足度も向上させることができます。
② 観光地のお土産への導入
2つ目は「観光地のお土産への導入」です。
観光地のお土産や、産地特有の商品などにNFCタグを導入することも、1つの活用アイデアとして挙げられます。
お土産にNFCタグを導入することができれば、観光客がスマートフォンをお土産にかざすだけで、その場所にまつわる詳細な情報や、隠れた名所の案内などの情報を閲覧できるようになります。
また、年齢層が高い方や、QRコードの読み取りなどに抵抗がある高齢者層などにとっても、スマホをかざすだけで情報を閲覧することができるため、よりスムーズに情報を提供する仕組みが整うと言えるでしょう。
③ 販促用のノベルティへの導入
3つ目は「販促用のノベルティへの導入」です。
世の中のあらゆる商品のノベルティにNFCタグを導入することができれば、ユーザーがスマートフォンをかざすだけで即座に情報にアクセスし、その場で簡単に企業や製品の情報を閲覧できるようになります。
また、NFCタグに搭載されている情報は随時変更することができるため、キャンペーンに合わせて情報を更新したり、製品のアップデートに応じて最新情報を提供したりすることもできるでしょう。
NFCタグの仕組みが活用されている身近なもの
次に、NFCタグの仕組みが活用されている身近なものについて、以下の3つをご紹介します。
1, ICカード
2, スマートフォンの決済アプリ
3, 入館証や社員証
また、NFCタグによって何ができるのかについては「【NFCタグで何が出来る?】具体的な活用方法や今後の可能性について徹底解説!」にてより詳しく解説しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
① ICカード
NFCタグの仕組みが活用されている身近なものの1つ目は「ICカード」です。
ICカードは、NFCタグ技術を応用した最も普及している例の1つであり、公共交通機関を利用するほぼ全ての方が所有していると言っても過言ではありません。
そんなICカードの中核にはICチップが搭載されており、NFC技術を使って外部のリーダーと通信を行っています。
また、ICカードは、汎用性とセキュリティにおいても非常に優れており、通信距離の設定により意図しない読み取りを防いだり、暗号化技術によってデータの不正な読み取りや書き換えを防いでいます。
② スマートフォンの決済アプリ
2つ目は「スマートフォンの決済アプリ」です。
スマートフォンの決済アプリとは、AppleペイやGoogle Pay、各種QRコード決済アプリなどを指します。
そんなスマートフォンの決済アプリの特徴は、ハードウェア(スマートフォンのNFCチップ)とソフトウェア(決済アプリ)の組み合わせによって、高度なセキュリティと利便性を実現している点にあります。
このような技術によって、本来であれば情報の入力が必要なクレジットカードであっても、瞬時に安全な決済が可能となる仕組みが整っているのです。
③ 入館証や社員証
3つ目は「入館証や社員証」です。
入館証や社員証などに組み込まれたNFCタグには、通常 固有のID情報が搭載されており、入退室管理システムのリーダーにカードをかざすことで、ID情報が読み取られ、サーバー上のデータベースと照合される仕組みとなっています。
これにより、入館証や社員証を使用した人物が入室権限を持っているかどうかが瞬時に判断されます。
入館証や社員証においてNFCタグを利用することの大きな利点は、データの動的な管理が可能であるという点です。
例えば、社員の退職や部署異動があった場合、物理的なカードを回収したり再発行したりする必要がなく、サーバー側でその社員のアクセス権限を変更するだけで、即座に設定を反映させることができるのです。
NFCタグの課題
本項目では、NFCタグの課題について、以下の3つをご紹介します。
1, アクセス制限
2, 費用感
3, 世の中への認知
① アクセス制限
NFCタグの課題の1つ目は「アクセス制限」です。
NFCタグは、物理的な接近によってのみ情報を送受信することができるという利点があります。
しかし、NFCタグ自体には高度な認証機能がないため、NFCタグ内に搭載された情報へのアクセスを完全に制御することは困難と言えます。
また、NFCタグによって得た情報がURL化されていた場合、そのURL自体を知っていればNFCタグを介さずに誰でもアクセスすることができてしまうという欠点もあります。
このような課題を解決するためには、暗号化技術の導入やアプリケーションレベルでの認証を組み合わせることなどで対応する必要がありますが、それに伴って費用や複雑な仕組みが必要となるため、状況に応じて適切に対処する必要があります。
② 費用感
2つ目は「費用感」です。
基本的なNFCタグは、およそ80円程度と、比較的安価な値段で入手することができます。
しかし、大量生産や特殊な用途に対応するためのカスタマイズを行う場合、コストが上昇する可能性があるため、コストの壁によって導入が難しいという壁に直面する企業なども出てくるでしょう。
③ 世の中への認知
3つ目は「世の中への認知」です。
NFCタグの技術自体は広く普及していますが、その名称や具体的な仕組みについての一般的な認知度は必ずしも高くないのが現状です。
多くの人々がICカードや非接触決済などでNFCタグの技術を日常的に利用しているにもかかわらず、それがNFCタグを基盤とした技術であることを認識していない場合が多いのです。
認知度の低さは、導入する上で人々の心理的な抵抗にも影響するため、まずは多くの人がNFCタグやその仕組みについて知ることが重要と言えます。
NFCタグは未来を変える
いかがでしたでしょうか。
今回は、NFCタグについて、その具体的な仕組みや活用アイデア、現状の課題などをご紹介しました。
本記事でもご紹介した通り、NFCタグの技術は既に世の中の様々な場面で活用されており、今後もビジネスや世の中の仕組みを発展させていく上でさらに注目を浴びることが予想されています。
また、今後新たに世の中に登場する最先端技術などと組み合わさり、さらに革新的な仕組みやアイデアなども生まれてくるでしょう。
技術の限界や世の中への認知など、まだまだ課題はありますが、今後NFCタグが世に大きく影響する未来を見据えて、NFCタグにおける理解を深めておくことをオススメします。