【NFCのセキュリティは安全?】仕組みや構造、セキュリティリスクなどをご紹介!
「NFCのセキュリティ面が気になる」
「NFCにはどのようなセキュリティリスクがあるの?」
NFCに興味がある方、あるいはNFCを絡めたビジネスに携わっている方の中には、このように考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、NFCのセキュリティに焦点を当て、NFCの仕組みや利用場面、NFCのセキュリティリスクなどについてご紹介します。
NFCのセキュリティについて知りたいという方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
NFCとは?
まずはじめに、NFCについて簡潔にご紹介します。
NFCとは「Near Field Communication」の略で、近距離無線通信技術の一つです。
数センチ程度の至近距離で端末同士が非接触で情報をやり取りできる仕組みであり、スマートフォンやICカードに広く搭載されています。
通信範囲が非常に短いことから、セキュリティ面で優れており、日常生活のさまざまな場面で活用されています。
NFCについては「【NFCタグとは?】具体的な仕組みや活用方法、世の中の事例などをご紹介!」にてより詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
NFCの仕組みと利用場面
次に、NFCの仕組みと利用場面についてご紹介します。
NFCの仕組みは、電磁誘導を利用して端末同士が近距離で情報を送受信するというものです。
通信距離は通常4cm以内と非常に短いため、意図しない接続が起きにくく、セキュリティ面で優れています。
通信には、大きく分けて「アクティブ通信」と「パッシブ通信」の2種類があり、スマートフォン同士でデータをやり取りする際にはアクティブ通信、ICカードのような非電源側とスマートフォンの接触ではパッシブ通信が使われます。
また、NFCは読み取り、書き込み、双方向通信という3つのモードを使い分けることができ、多様な用途に適応しています。
利用場面としては、モバイル決済や交通機関での改札通過、社員証による入退室管理、スマートロックの解錠、さらには製品の真贋判定やデジタル広告との連携などが挙げられます。
NFCのセキュリティは安全?
次に、NFCのセキュリティの安全性についてご紹介します。
NFCは、数センチという極めて短い通信距離でデータをやり取りするため、基本的には第三者による傍受や不正アクセスのリスクが低く、安全性の高い技術とされています。
実際に、多くのキャッシュレス決済サービスや交通系ICカード、スマートロックなど、日常生活の中で信頼性を求められる場面においてNFCが活用されているのは、そのセキュリティ性能への評価が背景にあります。
ただし、NFCが「絶対に安全」というわけではなく、スニッフィング(盗聴)や中間者攻撃(MITM)、リプレイ攻撃などのリスクが存在するのも事実です。
これらのセキュリティリスクについては、次章でご紹介します。
NFCのセキュリティリスク
本章では、NFCのセキュリティリスクについて、以下の3つをご紹介します。
- 盗聴(スニッフィング)
- 中間者攻撃
- リプレイ攻撃
①盗聴(スニッフィング)
NFCのセキュリティリスクの1つ目は「盗聴(スニッフィング)」です。
NFCは通常、数センチという非常に短い距離で通信を行うため、第三者による傍受は難しいとされています。
しかし、特殊な機器を用いれば、一定の距離を保ちながら通信内容を盗み見ることが可能です。
特に通信が暗号化されていない場合、カード番号や個人情報などが外部に漏洩するリスクがあります。
このため、送信されるデータを暗号化することや、認証プロセスを強化することで、盗聴のリスクを軽減する必要があります。
②中間者攻撃
2つ目は「中間者攻撃」です。
これは、通信している2つの端末の間に第三者が入り込み、データのやり取りを傍受・改ざんする攻撃です。
例えば、スマートフォンとNFC端末の間に不正な中継装置を挟み込むことで、本来の通信内容を改ざんしたり、機密情報を盗み出すことが可能になります。
このリスクに対しては、端末間の認証強化や、暗号化された通信プロトコルの導入が有効です。
③リプレイ攻撃
3つ目は「リプレイ攻撃」です。
これは、過去に正規の通信で取得したデータを、そのまま再送信することで不正アクセスを試みる攻撃手法です。
たとえば、一度読み取ったNFC決済データを再び送信することで、本人になりすまして支払いを実行することが可能になります。
このような攻撃を防ぐには、通信データに一意性を持たせる(タイムスタンプやワンタイムトークンを用いる)などの対策が求められます。
リプレイ攻撃は表面化しづらいため、特に注意が必要なリスクの一つです。
NFC以外の無線通信技術との比較
最後に、NFC以外の以下の3つの無線通信技術について、セキュリティの面から比較します。
- Bluetooth
- Wi-Fi(無線LAN)
- RFID(Radio Frequency Identification)
①Bluetooth
まずは「Bluetooth」です。
BluetoothはNFCよりも通信距離が長く、一般的には10メートル前後での通信が可能です。
この利便性の高さゆえに、情報漏洩のリスクも相対的に高くなります。
特に、初期設定時のペアリングが不適切だったり、暗号化が施されていない場合、スニッフィングや中間者攻撃の対象となる恐れがあります。
ただし、近年はBluetoothもセキュリティ対策が進んでおり、セッションキーの導入や認証プロセスの改善が図られています。
それでも、通信距離の長さはNFCと比べてセキュリティリスクを高める要因となるため、利用シーンに応じた使い分けが重要です。
②Wi-Fi(無線LAN)
2つ目は「Wi-Fi(無線LAN)」です。
Wi-Fiは広範囲で高速なデータ通信を可能にする一方、セキュリティ面では慎重な対応が必要です。
特に公共のフリーWi-Fiでは、通信内容が暗号化されていない場合が多く、個人情報やログイン情報が漏洩するリスクがあります。
また、悪意ある攻撃者が偽のアクセスポイントを設置し、利用者を誘導する「なりすまし攻撃」も問題となっています。
現在ではWPA3といった強力な暗号化技術も登場していますが、ユーザー側の設定ミスや意識の低さによってリスクが残る点は否めません。
③RFID(Radio Frequency Identification)
3つ目は「RFID(Radio Frequency Identification)」です。
RFIDは物流や在庫管理、入退室管理など幅広い分野で活用されている無線通信技術で、NFCはこのRFIDの一種です。
NFCとの大きな違いは、通信距離が数十センチから数メートルと比較的長い点にあります。そのため、第三者による情報の盗聴や不正スキャンのリスクが高まります。
また、一部のRFIDタグは暗号化や認証機能を持っていないため、情報が平文でやり取りされるケースも少なくありません。
これに対し、NFCは通信範囲を意図的に制限し、より高いセキュリティレベルを実現している点が大きな優位性となっています。
NFCとRFIDの違いについては「【NFCとRFIDの違いは?】それぞれの特徴やメリット、デメリットを解説!」にてご紹介しているので、気になる方はぜひこちらもご覧ください!
NFCのご相談は、株式会社ワールドビジネスサプライへ
いかがでしたでしょうか。
今回は、NFCのセキュリティに焦点を当て、NFCの仕組みや利用場面、NFCのセキュリティリスクなどについてご紹介しました。
本記事でもご紹介した通り、NFCなどをはじめとした通信技術は、様々なセキュリティリスクを持ちながらも、適切な管理や対策によって安全に使用することができます。
特にNFCは、今後のビジネスでもより幅広いシーンで活用が進むことが予測されているため、セキュリティリスクについても正しく理解しておくことが重要と言えるでしょう。
また、株式会社ワールドビジネスサプライでは、NFC技術を活かしたさまざまな機器を提供しています。
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